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ホームページ開設にあたって

2000年11月21日[BizTech eBusiness]より

 96年2月以来約五年にわたって「日経ビジネス」「日経パソコン」「日経産業新聞」「日経PC21」に寄稿してきた原稿が、本二冊分くらいの分量になりました。そのすべてを、本ホームページ上のアーカイブという形で公開することにしました(11月のホームページ開設時点では2000年の分だけ、年末までには約五年分のすべてが公開される予定です)。

 私は94年に、東京での生活を引き払ってシリコンバレーに引っ越してきました。十年に一度のことなのか百年に一度のことなのかはよくわからないけれど、自分にとっては一生に一度経験できるかどうかの大変革がまさに起ころうとしているのだと確信し、その大変革の震源地にどうしても身を置いてみたい という欲求が押さえ切れなくなったからでした。

 そしてその当時、いくつかの出版社からシリコンバレーについての本の執筆を依頼され、何度か「本を書く」ことにトライしました。

 しかし「本を書く」という作業は、どうしても過去に対して意識を集中する時間をまとめて持たなければなりません。つまり本を書こうとして過去に意識を集中すると、現在に意識を集中する事ができなくなってしまう、そしていったん現在から目を離すともうそれでフロンティアからは離脱せざるを得なくなる、という大きなジレンマに遭遇したのです。

 色々と悩んだ末に「本を書く」ことは諦め、その代わりに常に「時代の向かっている方向とその意義を切り取る」ような論考を定期的に書いていこう、と決めたのが96年のはじめでした。それから約五年が経過しました。

 その時、その時でベストを尽くして書いたものの、時代の流れは激しく、今となっては陳腐化したり、誤りを含んだ内容になってしまったものも多々あるかとは思いますが、そういうことも含めて、執筆時点の内容に全く手を加えずに、すべてを公開することにしました。どうしてそういう気になったかについては、いずれまた改めて詳しく書きます。

 本ホームページを担当してくれる日経BP社の山岸君は、まだ学生だった頃シリコンバレーに私を訪ねてくれたことがあります。私がシリコンバレーで独立してミューズ・アソシエイツという経営コンサルティング会社を創業したばかりの時でした。そんな不思議な縁もあって、このホームページがはじまります。

 アーカイブだけでは芸がないので、「日経ビジネス」と「日経パソコン」に連載中の新作原稿は、雑誌発売と同時にリアルタイムで掲載されます。加えて、ホームページ上での新しい企画も、山岸君と一緒に検討中です。

 まずはホームページ開設のごあいさつまで。ではまた。

2000年11月 梅田望夫

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